先週放送の「天皇の料理番」第3話(5月10日放送回)に篤蔵が俊子へ手紙を送るシーンがありました。
結びの言葉は「ジュテーム」、そうフランス語のJe t’aime.でした。
意味は「私は君を愛している」ですが、フランス語を習っていない人にとってはどのような文の構造なのか不思議に思う人もいるかもしれません。今回は篤蔵が俊子に送ったこの”ジュテーム“という言葉から、フランス語の文の構造を勉強していきましょう。
フランス語を全然知らない人も、「フランス語はこういう語順で文ができているんだ~」、「日本語と語順が似ている!!」と思っていただけたら嬉しいです。
篤蔵が俊子に”ジュテーム”と送った理由
なぜフランス語の”ジュテーム“という言葉を用いたか、その理由は3つあるでしょう。
篤蔵の「西洋料理のシェフ」への憧れ
「天皇の料理番」は”田舎育ちの少年が西洋料理のシェフに憧れ、上京。料理修業を重ね、フランス留学などを経て、弱冠26歳で“天皇の料理番”にまで登りつめる。“というストーリーです。
田舎出身の篤蔵が西洋料理のシェフになる過程でフランス料理修行に励みます。現在もそうですが、料理の名前や調理器具などフランス語の名前が多く用いられており、篤蔵もフランス語に親しんでいったのでしょう。手紙の結び言葉にフランス語を使ったのはそんな篤蔵らしさと言えるでしょう。
ジュテームは日本語の語順と同じ
フランス語のJe t’aimeは分解すると
Je:私は
t’:君を
aime:愛する・愛している
の3部分に分けることができます。
英語では”I love you.”というように語順が「私は・愛する・あなたを」と日本語と異なりますが、フランス語では日本語と同じように「私は・君を・愛する」という語順になるため、より日本語に似ているため篤蔵にとっても使いやすかったのかもしれません。
フランス語のteとvous
英語は「君・あなた」を同じ”you”という言葉で表しますが、フランス語では、
te:君(同世代の人や、親しい間柄において)←”Je t’aime.”という文では”te”の後に母音で始まる”aime”という動詞が続くため”te”が”t'”に変形する。
vous:あなた(初対面の人や、年上、尊敬する人に対して)
という2語で使い分けます。この点も日本語と似ていますね。
手紙の結び言葉で”Je t’aime.”と篤蔵が書いたことで、篤蔵が俊子をどのような存在としてみているかが伝わってきますね。
ジュテーム “Je t’aime.”の使い方
フランス語の”Je t’aime.”は本当に心から愛しているときの愛情表現として用いります。つまり、恋人間や夫婦間、または本当に親しい間柄で用います。
友達に対して「友達として好き」と言いたい時は、ジュテームの後にbeaucoup(ボクー)「たくさん・とても」を付けて、
Je t’aime beaucoup ! ジュテーム ボクー
と言いましょう。もちろん言われたときはMerci ! メルスィ と返すのを忘れずに!
このようにフランス語の観点から見ると「天皇の料理番」を見るのがさらに楽しくなるのではないでしょうか。「天皇の料理番」をさらに楽しく見るためにフランス語の勉強を始めてみませんか?