フランス語の辞書を新しく買おうと検討している人ならおそらく誰もが悩む辞書の種類。どの辞書を使えば一番効率よくフランス語を学習できるのだろうと僕もいろいろ考えてきました。
フランス語の辞書として選択肢にあがるのがまず次の3つです。
- 紙のフランス語辞書
- 電子辞書
- フランス語の辞書アプリ
おそらくほとんどの人がまず初めは紙のフランス語辞書から勉強を始めるのではないでしょうか。僕はそのやり方に賛成でフランス語初修者はまず紙の辞書を通してフランス語に慣れていくのが一番だと思います。
そして紙辞書を使って少し時間が経つとだんだんと毎回毎回、フランス語の単語や熟語を紙辞書でちまちまと調べるのが億劫になってくるのではないでしょうか。そこで次に手を出すのがフランス語の電子辞書でしょう。ほとんどの人が持っている電子辞書にフランス語の辞書が入ったチップを追加購入して挿入すれば今までの紙辞書よりもスピードが速く単語検索できるため電子辞書を使う人はとても多いです。
フランス語学習と電子辞書
でも僕はフランス語を勉強するために電子辞書を使うのにはあまり適していないと考えています。たしかに紙辞書よりも検索スピードが速く、紙辞書ほど重くないため持ち運びに適しているとは言えますが、一つの画面で見ることのできる情報量が限られている、さらに紙辞書のように辞書に掲載されている前後の単語とのつながりが有機的につながっておらず、ひとつひとつの単語が孤立した状態で表示されるので単語をつなげて覚えることができないというデメリットがあります。
フランス語学習と紙辞書
紙の辞書について言えば、単語の前後を見ると周りの単語とのつながりが目に見て分かりますし、それぞれの単語にどれぐらいのスペース割かれているかをみれば、その単語の重要性も知らずと伝わってきます。デメリットがあるとすれば常に持ち運ぶとなると機能性に欠けますし、かといって軽めの薄い紙辞書では辞書の厚さだけではなく内容も薄いものとなってしまいます。余談ですが、フランス語をそれなりに勉強する立場にある人ならばフランス語の紙辞書としては薄い紙辞書は選択肢から第一に外される存在です。紙辞書のデメリットとしてもう一点あげられるのは日本語↔フランス語という双方向の訳ができないということです。フランス語を勉強している人であれば仏和辞書だけではなく、和仏辞書もいずれ必要になってくるフェーズがやってきます。その時に和仏の紙辞書と仏和の紙辞書の2冊を持ち歩くというのは全く合理的でないので、多くの人が紙辞書をある程度のレベルまで進めると電子辞書に流れていくのかなとこの文章を書きながら気づきました。
ここまで紙辞書と電子辞書の良い点や悪い点を長々と書いてきましたが、ここでフランス語の紙辞書と電子辞書のメリットとデメリットをまとめると、下の表のようになります。
この表から見るとわかるように、フランス語の辞書に関して言えば紙辞書と電子辞書両方に良い点・悪い点がありますが、スピードと機能性に優れる電子辞書がやや優勢なのかなと思います。現状としてフランス語学習者の中に電子辞書ユーザーの数が多いのも納得がいきます。
しかし電子辞書を使っているとやはり、単語の繋がりを作りにくいという問題点や、一度に限られた情報しか見ることができないという決定的な欠陥を抱えたままなので、フランス語の学習で最も学習効率が高い辞書と言えません。紙辞書、電子辞書どちらにも学習の効率を下げる要素が含まれるのでどうすればよいのでしょうか。僕はここで登場するのが辞書アプリなのではないかなと思います。ここ数年で新たに登場した第3の辞書のかたちです。
フランス語学習と辞書アプリ
まずここではフランス語の辞書アプリについて説明しなくてはなりません。辞書アプリとはiPhoneやiPadのApp Store上やAndroidのGoogle Play上でダウンロードできるフランス語の辞書アプリのことです。
辞書アプリは紙辞書の内容をそのままアプリにした新しいタイプの辞書で、電子辞書との違いは、電子辞書の欠点ともいえる画面内に表示される情報が少ないという欠陥を克服した点であるといえるでしょう。
フランス語の辞書アプリはiPhoneやiPadの画面で和仏翻訳・仏和翻訳が切り替えなしで可能であり、さらにオフラインでも利用可能で電波のないところでも利用できるので非常に使いやすい仕組みです。メリットをさらにあげると、プラットフォームはiPhone・iPadやAndroidといった手持ちのスマートフォンやタブレットなので、アプリをダウンロードした瞬間から利用できるようになります。
詳しい辞書アプリの説明と、画像付きの使い方はこの記事で説明しているので見てみてください。

紙辞書・電子辞書・辞書アプリのメリットとデメリット
ここで3種類のフランス語辞書をすべて紹介したのですべてをまとめてメリットとデメリットを挙げてみます。
このように見比べると第3の辞書と呼ばれる、辞書アプリが価格以外では紙辞書と電子辞書の機能性を超えていることがわかります。携帯のアプリなので持ち運びやすさは負荷ゼロで、検索スピードは紙辞書よりはもちろん速く、電子辞書のように和仏と仏和で切り替える必要が無く単語や熟語・例文を検索できるので検索スピードでも勝っています。見やすさについてもカラーで一度に多くの情報が表示されるため電子辞書の欠点をカバーしています。さらにスマートフォンではなくタブレットにフランス語の辞書アプリをダウンロードすればその大きさから一度に紙辞書と同等の情報量を紙辞書よりはるかに見やすく表示してくれるのでタブレット×辞書アプリの組み合わせはフランス語を効率よく学習するのであれば鉄板の組み合わせといえるのではないでしょうか。
フランス語の辞書論争結論
結果的にフランス語の辞書を利用するなら、初修者は紙辞書、ある程度勉強が進んで紙辞書で毎回調べるのが億劫になってきたら辞書アプリを購入するのが最も効率の良いフランス語の学習方法ではないかと思います。
ここで大事なのが辞書アプリを購入したからと言って紙辞書を全く使わなくなるというのではなく、状況に応じて紙辞書と辞書アプリを使い分けることが必要です。紙辞書も紙辞書なりに辞書アプリで出来ないような単語の前後の繋がりを勉強するという知識の補完作業が可能なので持っていて損はないです。
一番損だなと思うのが、辞書アプリをダウンロードできる状態にあるのにもかかわらずメジャーでみんなが使っているからという理由だけで特徴があまりなく使い勝手も良くない電子辞書を購入してしまうことです。
今までは電子辞書には紙辞書にはできない検索の速さと持ち運びの良さというメリットがありましたが、ここ数年の辞書アプリの登場とともにそのメリットは完全に失われてしまい、今はそのメジャーさに頼っているというのが現状で、機能としては完全に辞書アプリに劣っています。
僕の周りの人もそうであるように今まで電子辞書でフランス語を調べていた人で辞書アプリをダウンロードした人は電子辞書を使わなくなります。このことからもわかるようにフランス語の単語・熟語検索に関して言えば電子辞書はすでに過去の遺産であり、その役割はさらに機能性の高い辞書アプリに取って代わったといえるでしょう。
僕が結論として、フランス語を勉強している人で、さらに今後電子辞書を購入しようと検討中の人に強く訴えたいのが、電子辞書を購入するメリットはもはや無くなったということです。現時点では辞書アプリという新しい辞書の形を採用して実際に利用している人は一部のアーリーアダプターに限られますが、今後数年のうちに爆発的に規模が拡大するのは間違いないでしょう。
辞書の初期形態である紙辞書は今後もその姿を変えることなく残り続けますが、第2の辞書と呼ばれる電子辞書というプラットフォームは衰退していくことが必須です。これからフランス語の辞書の購入を検討しているすべての人に伝えたいのは賢明な判断をしてくださいということです。どうか周りの人たちに流されずに本当に自分のためになるフランス語の勉強手段を確立してほしいです。そしてフランス語の勉強とは常に辞書と共に進むものであり、辞書選びはそれ自体がフランス語の実力に直結するといっても過言ではないでしょう。
文字数4000字以上になるこの文章をここまで読んだ人はそれなりに理解力のある人だと思います。もし本当にフランス語の力を伸ばしたいのであればまずは辞書から見直すとよいかもしれません。
3種類の辞書ひと言まとめ
- 第1の辞書:紙辞書:辞書の初期形態であり初心者には必須、今後も残る。
- 第2の辞書:電子辞書:完全上位互換の辞書アプリの登場で淘汰、今後は衰退。
- 第3の辞書:辞書アプリ:ここ数年で急激に成長、効率性が最も高く、今後のメイン。