フランス語の指示形容詞とは何か
- 「この〜・その〜・あの〜」のような人や物を指示するための形容詞。
- 名詞の性と数によって変化する。
- cetは母音または無音のhで始まる男性単数名詞の前で使われる。
このページではフランス語の指示形容詞(しじけいようし)を勉強していきます。指示形容詞とはその名の通り、何かを指示する形容詞のことで、日本語にすると「この〜」、「その〜」、「あの〜」などの意味となります。
例えば「この犬」や「その猫」の日本語をフランス語では以下のように、指示形容詞を名詞の前に置いて表します。
- ce chien
この/その/あの犬 - ce chat
この/その/あの猫
上の例を見て気づいたかもしれませんが、フランス語では「この・その・あの」の区別が基本的に存在せず、その言葉が使われている状況によって解釈します。指示形容詞の意味の区別についてはこのページの最後に詳しく触れているので、確認してみてください。
それではフランス語の指示形容詞の用法について詳しく見ていきましょう。
男性単数 | ce/cet |
男性複数 | ces |
女性単数 | cette |
女性複数 | ces |
上の表をみると分かるように、指示形容詞は後に続く名詞の性と数によって形が変化します。ここでは、1)男性単数形、2)女性単数形、3)男性複数形および女性複数形の順番でそれぞれの使い方を見ていきます。
フランス語の指示形容詞の男性単数形
男性単数名詞の前では通常、ceが用いられます。しかし母音または無音のhで始まる男性名詞の前だけceの代わりにcetを用いる点に注意しましょう。
- ce stylo このペン
- ce magasin この店
- cet ordinateur このパソコン
- cet hôtel このホテル
上の例では3つ目の単語、ordinateurが母音から、4つ目の単語、hôtelが無音のhから始まっているので、ceの代わりにcetを指示形容詞として使っています。
フランス語のhから始まる単語には有音のhと無音のhという2つのカテゴリーが存在します。有音のhは、hを他の子音と同じように扱いますが、無音のhの場合は文法上、hを文字としてカウントしないため、無音のhから始まる単語はhの後に続く母音から始まるとみなされて母音の衝突の対象となります。
- homme → l‘homme
- histoire → l‘histoire
フランス語の指示形容詞の女性単数形
女性単数名詞の前ではcetteが用いられます。男性単数形とは異なり子音の前でも、母音の前でもcetteという形は変化しません。
- cette maison この家
- cette fleur この花
- cette idée このアイデア
このページの最初に書いたように、フランス語の指示形容詞は「この〜」、「その〜」、「あの〜」の3つを指しますが、この例文では簡略化のため、「この〜」の意味だけを書いています。
フランス語の指示形容詞の男性複数形・女性複数形
指示形容詞の男性複数形と女性複数形はどちらもcesで同形です。女性単数形と同じように子音の前でも、母音の前でも形は常にcesで変化しません。
- ces stylos これらのペン
- ces tables これらの机
上の例では1つ目が男性名詞の複数形、2つ目は女性名詞の複数形だが、指示形容詞cesの形はどちらも変わらない。
フランス語での「この〜・その〜・あの〜」の区別
冒頭で述べたように、フランス語では「この~・その~・あの~」の区別が基本的にはありません。
ただし、あるものが近くにあることを強調したい場合、もしくはその逆で、あるものが遠くにあることを強調したい場合には、近くのものの後に-ci、遠くのものに-làを付けて判断します。
- ce livre-ci この本
- ce livre-là あの本
- cette robe-ci このドレス
- cette robe-là あのドレス