男性名詞=名詞の原形から作るフランス語名詞の女性形の作り方
- 人の身分・属性・職業を表す名詞は男性名詞の語尾を変化させることで女性形をつくることができる。
- 基本的には名詞の語尾にeを付けると女性形をつくることができる。
- 歴史的に男性の仕事だった職業の中には女性形が無いものがある。
フランス語では、人の身分・属性・職業を表す名詞は語尾を変化させることで女性形をつくることができます。ほとんどの名詞の場合、名詞=男性名詞の語尾にeを付けることで名詞を女性化することができるのですが、一部の名詞は例外的な語尾変化をすることがあるので、その種類を確認して覚えていきましょう。
このページでは最初に、1)基本的な名詞の女性形の作り方を確認した後に2)例外的な名詞の女性形の作り方を学習しいきます。
まずは次の4つの名詞を女性形にした時の変化の様子を見てみましょう。
- ami 友人(性別は男) → amie 友人(性別は女)
- étudiant 男子学生 → étudiante 女子学生
- cousin 従兄弟 → cousine 従姉妹
- boulanger パン職人 → boulangère パン職人 (女性名詞)
【フランス語文法】2つの名詞の性の分類と見分け方(男性名詞・女性名詞)と特有の語尾を解説のページで詳しく解説していますが、stylo「ペン」(男性名詞)やtable「机」(女性名詞)のような物質名詞はあらかじめ名詞の性が決まっているので、例えば男性名詞のstyloの語尾にeをつけてstyloeにするようなことはできません。
語尾を変化させて女性名詞を作るのはあくまで人の身分・属性・職業を表す名詞のみで、上の4つの単語はいずれも名詞の男性形と女性形が存在します。
基本的な名詞の女性形の作り方は名詞の原形=男性形にeを付けるだけ
フランス語ではほとんどの場合、名詞の語尾にeを付けると女性形をつくることができます。
英語では学生を表すstudentは男子学生、女子学生の両方を意味しますが、フランス語はそれぞれétudiantとétudianteという形があるため文字を見ただけでそれが男性か女性か判断できます。
- ami + e → amie 友人
- étudiant + e → étudiante 学生
- ami 友人(性別は男)
- amie 友人(性別は女)
- étudiant 男子学生
- étudiante 女子学生
例外的な変化をする名詞の女性形
基本的には語尾にeを付けるだけで名詞の女性形を作ることができますが、なかには不規則な変化をする名詞のグループがいくつかあります。ここからは女性名詞を作る時に例外的な作り方をするものを見ていきます。
語尾がerで終わる名詞の女性形の作り方
語尾がerで終わる名詞から女性形をつくるときは語尾をerからèreに変えます。これは女性形の音を名詞の男性形=原形と近づける必要があるからです。
下の例にある単語、boulanger「パン屋」に一般的な名詞と同じように語尾にeを付け足すと、boulangereという形になり、アクサン(母音の上に付く記号)が無いため発音が大きく変わってしまいます。これを避けるために語尾をerからèreに変えます。
- boulanger → boulangère パン屋
- cuisinier → cuisinière 料理人
- étranger → étrangère 外国人
語尾がeurで終わる名詞の女性形の作り方
語尾がeurで終わる名詞から女性形をつくるときは語尾をeurからeuseに変えます。
- chanteur → chanteuse 歌手
- danseur → danseuse ダンサー
語尾がan/en/onで終わる名詞の女性形の作り方
名詞の語尾がan/en/onで終わる名詞から女性形をつくるときは語尾がそれぞれanne/enne/onneにとnを二つ重ねた形に変化します。
- paysan → paysanne 農民
- musicien → musicienne 音楽家
- patron → patronne 経営者
一部の職業名詞に該当する、女性形の無いフランス語の名詞
警官や教師、博士など歴史的に男性の仕事だった職業の中には女性形が無いものもあります。しかし女性の社会進出と男女差別撤廃への動きに伴い徐々にこのような名詞にも女性形が作られるようになってきています。
例えば歴史的に女性形の存在しない名詞には以下のようなものがあります。
- agent 警官
- professeur 教師
- docteur 博士
- auteur 作者
- écrivain 作家
こういった職業名詞の場合、名詞の前に「女性」を意味するfemmeを付けることで「女性」であることを強調できます。辞書などでは下記のようにfemme + 職業名詞の形で書くようにと推薦されていることがあるのですが、一般的にはfemmeを付けず冠詞で判断することが多いです。
- femme agent 女性警官
- femme professeur 女性教師
- un professeur 男性教師
- une professeur 女性教師
- un écrivain 男性作家
- une écrivain 女性作家
- le professeur 男性教師
- la professeur 女性教師
- C’est mon professeur.
この人は私の(男性の)先生です。 - C’est ma professeur.
この人は私の(女性の)先生です。
また、「子供」を意味するenfantは男女同形の名詞です。男女の区別をするときは名詞の前につける冠詞で判断します。
- un enfant 子供(男)
- une enfant 子供(女)
- 人の身分・属性・職業を表す名詞は男性名詞の語尾を変化させることで女性形をつくることができる。
- 基本的には名詞の語尾にeを付けると女性形をつくることができる。
- 歴史的に男性の仕事だった職業の中には女性形が無いものがある。