- C’est en forgeant qu’on devient forgeron.
というフランス語の諺(ことわざ)をご存知ですか。日本語にすると直訳が「鍛治をすることで鍛治屋になる」で、日本語のことわざに当てはめると「習うより慣れよ」や「練習こそ最良の師」になります。
このC’est en forgeant qu’on devient forgeron.は練習の繰り返しが結果につながるというフランス語を学習する上での教訓としての意味としても我々フランス語学習者は胸に刻んでおきたい言葉でもありますが、このことわざ自体に重要な文法項目が4つも入っているため、このことわざを覚えるだけで表現の幅が大きく広がります。
今回はこのことわざに使われている重要な4つの文法を勉強しながら、このことわざを覚えていきましょう。
ことわざに含まれるフランス語の4つの重要文法
まずはC’est en forgeant qu’on devient forgeron.という諺に使われている単語の意味を確認しましょう。
forgerとは他動詞で「(鉄)〜を鍛える」。forgeronとはforgerをする人で「鍛治屋」という意味です。これらの意味を確認したところで、このことわざの中にある4つの文法項目を見ていきましょう。
重要文法その1【c’est〜que:強調構文】
- C’est en forgeant qu’on devient forgeron.
という文にはC’est〜queという強調構文が隠れています。本来ならば、On devient forgeron en forgeant.という語順になる場面で、en forgeant「鍛治をすること」に焦点をあてる = 強調することで「〜は〜だ」という強調構文がうまれます。
強調構文は日常でよく使う、使用頻度の高い表現なのでこの機会に意味を確認しましょう。例文をいくつか挙げておきます。
- C’est moi qui fait ça.
それをするのは私です。 - C’est cet homme que je cherche.
私が捜しているのはこの男です。
重要文法その2【en+現在分詞:ジェロンディフ】
- C’est en forgeant qu’on devient forgeron.
C’est〜queの強調構文に挟まれている中にはジェロンディフという、これまた重要な文法項目があります。
ジェロンディフとはen+動詞の現在分詞のかたまりであり、この文では「〜しながら」の意味を指します。
en + forgeant(forgerの現在分詞)ということは、「鍛治をしながら」という意味になります。ジェロンディフに関してもいくつか例を挙げておきます。
- Je prend le déjeuner en regardant la télévision.
私はテレビを見ながら昼食をとる。 - Il marche en parlant avec ses amis.
彼は友だちと話しながら歩く。
重要文法その3【gerで終わる動詞の活用】
意外と多い間違えに、gerで終わる動詞の活用間違えがあります。
例えばmanger「〜を食べる」を例にとると、
- je mange
- tu manges
- il mange
まではいいのですが、nousになるとmangeonsのeを入れ忘れる人が多くいます。もしeを抜かすとカタカナ発音では「モンジョン」ではなく、「モンゴン」になってしまうため、これは大きな間違えです。
ジェロンディフはnousの活用から形をとるのでgerで終わる動詞の場合、geantという形が必須であるということを今回のことわざを通して再確認しましょう。
重要文法その4【職業名詞には冠詞が付かない】
職業名詞に冠詞が付かないということを覚えますか。おそらく文法の授業の冠詞を習うレッスンで勉強したのではないでしょうか。
例えば自分の将来の職業を言うときには名詞の前に冠詞を付けず、
- J’aimerais devenir professeur.
私は先生になりたい。
のようになります。
職業名詞の前に冠詞を付けないということを忘れている人が多くいるのでこの場で再確認しておきましょう。
諺を使ってフランス語の重要文法4つを振り返りのまとめ
最後にことわざをもう一度掲載しますので、今回見てきた文法項目を確認しながら読んでみましょう。
- C’est en forgeant qu’on devient forgeron.
- c’est〜que:強調構文
- en+現在分詞:ジェロンディフ
- gerで終わる動詞の活用
- 職業名詞には冠詞が付かない
このことわざを覚えるだけで4つもの文法項目を確認できるのでぜひ覚えておきましょう。