今日はフランス語文法についてのブログ記事です。
フランス語の文法書をパラパラめくった時に現れるこのジェロンディフ、文法の授業ではすでに勉強したけどいまいち意味がよくわからない、どんな時に使うの?という人に向けてジェロンディフの作り方から用法や使い方までまとめようと思います。
ちゃんと理解していなかった人もこのページを読み終わる頃にはジェロンディフへの理解が完璧になっているはずです。ジェロンディフってとても便利な表現なんですよ!ということを今からお伝えします。
ジェロンディフの作り方
フランス語のジェロンディフの作り方です。材料は前置詞enと現在分詞(-antで終わる動詞の形)の2つだけ!
ちなみに現在分詞は動詞のnousの活用語尾を-onsから-antに変えると作ることができます。例えばparlerだったら nous parlonsなのでonsをantに変えてparlantになります。
それではさっそく材料を合わせてジェロンディフをつくってみましょう。
ジェロンディフの作り方例
- en+parlant→ en parlant
- en+mangeant→ en mangeant
- en+finissant→ en finissant
簡単ですね!ジェロンディフの作り方はenと現在分詞を並べるだけです。それでは次にジェロンディフにはどんな意味があるのか、ジェロンディフの用法を見ていきましょう。
ジェロンディフの用法
ジェロンディフの作り方がわかったところでジェロンディフにどのような意味があるのか確認しましょう。大きく使い方は6種類あるので順番に覚えていきましょう。でも一度に用法を6個全部覚えるのはちょっと無茶かもしれませんね。1つか2つでもいいので覚えて帰ってください!何回も繰り返し覚えようとするのが大切です!
①同時性
ジェロンディフを使うと、同じ時に行われている2つの動作を表現することができます。日常生活でも「~しながら~する」というフレーズはよく使いますよね。そんな時に役に立つのがジェロンディフなんです!いくつか例を挙げるので見てみましょう。
A. Il mange en regardant la télévision.
B. Il mange pendant qu’il regarde la télévision.
「彼はテレビを見ながら食事する」
ジェロンディフを使わないでこの文を書こうとするとBの文のように主語ilが繰り返されてしまいます。フランス語では同じ表現の繰り返しがNGなのでジェロンディフを使って文をスッキリさせるのです。
・J’étudie le français en écoutant de la musique.
「私は音楽を聴きながらフランス語を勉強する」
・Elle est allée à l’université en parlant avec ses amis.
「彼女は友人と話しながら大学に行った」
②状態
ジェロンディフを使うことで主語の状態を表すことができます。意味は①同時性と似ているので二つを合わせて覚えてしまってもいいかもしれません!
①同時性と異なる点でいえば①同時性は主語の動作を表すのに対して、②状態は主語がどのような様子であるのかを表します。
・Il est venu en souriant.
「彼は微笑みながら(微笑んでいる状態で)来た」
・Elle a parlé en tremblant.
「彼女は震えながら(震えている状態で)話した」
③方法
ジェロンディフ3つ目の用法は「方法」です。日本語訳だと「~して~する」という意味としてジェロンディフを用いる使い方です。日本語でもよくこの言い回しは使うのでフランス語でも言えるようにジェロンディフを覚えましょう!
・Il est allé à la gare en utilisant sa voiture.
「彼は車を使って駅に行った」
・J’ai appris sa mort en parlant avec sa femme.
「私は彼の妻と話して彼の死を知った」
④原因・理由
ジェロンディフは「原因・理由」を表すこともできるのです。本当に意味が多いですね!そろそろ①同時性あたりの意味を忘れてきたころでしょうか。もう少しジェロンディフの用法の解説は続くので、飽きてしまった人はスーーーっと読み飛ばすか、いったん休憩でもどうぞ!
・En travaillant trop, il est fatigué.
「働きすぎたので彼は疲れている」
・En mangeant trop de chocolat, elle a grossi.
「チョコレートを食べすぎたので彼女は太った」
⑤譲歩
さあ5番です!終盤です!「譲歩」とは何でしょうか。日本語訳するとわかりやすいかもしれません。日本語訳は「~なのに~だ」です。このジェロンディフの用法も日常でよく使われますね。
・Il est très en forme en buvant beaucoup.
「彼はたくさんお酒を飲むのにとても健康だ」
譲歩の意味を強調するときジェロンディフの前にtoutを付けることがあるので覚えておきましょう!
・Il est très en forme tout en buvant beaucoup.
「彼はあれほどたくさんお酒を飲むのにもかかわらず健康だ」
⑥条件
さあいよいよここまで来ました。お疲れ様です。最後の用法をササッと勉強してジェロンディフの意味を完璧にしてしまいましょう!6個目の意味は「条件」です。意味は「もし~すれば、~だ」となり、これはsi~から始まるフランス語の条件法の文と同じ意味になります。
・En travaillant plus, tu auras de bonnes notes.
「もっと勉強すれば、君は良い点を取れるだろう」
・En parlant français, il pourrait vivre en France.
「もしフランス語が話せれば、彼はフランスで暮らせるだろう」
ジェロンディフ6つの用法は以上となります。どうだったでしょうか。一度に全部覚えきるのはやっぱり難しいですね(笑)。6つの用法を見て分かったことはおそらくジェロンディフにはよく使われる表現が多いということでしょう。なのでジェロンディフを覚えればそれだけ表現の幅が広がるということですね。次は実際に今まで勉強してきたジェロンディフがどのように使われているのか例を挙げながら見ていきましょう。
ジェロンディフは実際にどう使われてる?
この章では今まで確認してきたジェロンディフが実際に文章や日常生活でどのように使われているのか見ていきます。実際にどのように使われているのかを見ることで問題集などでは見ることのできない文法や表現のリアルな使われ方を確認することができます。
①Regarder son smartphone en marchant:歩きながらスマートフォンを見ること(同時性)
«Regarder son smartphone en marchant, c’est dangereux (mais bon, les gens concernés ne voient pas ce message de toute façon)», dit cet avertissement/publicité géant, installé dans des escaliers de la gare de Shinjuku à Tokyo par l’opérateur de téléphonie Docomo.
http://www.20minutes.fr/monde/1389061-20140530-japon-comment-arreter-elan-smartphone-marchant
②en critiquant le processus électoral:選挙の手順を批判することで(方法)
Michael van Praag, le président de la fédération néerlandaise de football, et l’ex-Ballon d’or Luis Figo, s’étant tous deux retirés de la course en critiquant le processus électoral.
③en passant bien sûr par la Suisse:もちろんスイスを通りながら/通ることで(同時性)(方法)
Entre les XVIIe et XIXe siècles, il était courant pour les jeunes Anglais fortunés de passer quelques années sur le continent pour y faire le «Grand Tour» de ses haut lieux culturels. Typiquement, le voyage partait de Paris pour finir à Rome, en passant bien sûr par la Suisse.
ジェロンディフと分詞節の違い
①ジェロンディフは口語的、分詞節は文語的
ジェロンディフは会話でよく使われる表現であるのに対して分詞節は文章で好まれて使われる表現なのです。
②「方法」用法は分詞節では表せない
ジェロンディフの用法で習った「方法」の使い方は分詞節では表せません。「~して~する」と表現したい時は必ずジェロンディフを使う必要があるのです!
③「原因・理由」用法は分詞節が好まれる
「~なので~だ」という意味の「原因・理由」用法は分詞節でよく使われる表現です。ジェロンディフでも表現はできるけど分詞節のほうが適当なのでこの場合は分詞節を用いるとグッドです!
④ayant/étant/pouvantはジェロンディフでは使えない
avoir/être/pouvoirの現在分詞3つはジェロンディフでは使うことができません。なのでこの3つを使って「同時性」「原因・理由」などを表したい時は分詞節を使わなくてはいけないということです。
En ayant → Ayant
En étant → Étant
En pouvant → Pouvant
まとめ
いかがだったでしょうか。はじめはジェロンディフを食わず嫌いしてた人も今回の学習で意外とジェロンディフがよくつかわれるものなんだ!ということがわかったのではないでしょうか。いろいろな意味があるので用法をすべて覚えるのが大変なジェロンディフですが、逆に考えれば一つの文法でいろいろな表現ができるということです!
今回学んだジェロンディフの用法6つを忘れずに、今後en+現在分詞のかたまりが出てきたらどんな意味であるか推測するのも面白いかもしれません。