フランス語の疑問文とは
- フランス語の疑問文には3種類の作り方がある。
- 会話と文章では用いる疑問文の種類が異なるため使い分けが必要。
フランス語でも日本語でも、英語でも共通して、語尾に「?」や「!」の付いていない普通の文体のことを平叙文(へいじょぶん)と呼びます。
へいじょ‐ぶん【平叙文】
疑問文・感動文・命令文に対して、特別な修辞を用いずに物事を客観的に述べる形の文。普通、活用語の終止形で文を結ぶ。引用元:コトバンク 平叙文とは
日本語では平叙文を疑問文に変えるときに、下の例文のように語尾に「?」を付けたり、発音の語尾を上げることで疑問文であることを強調します。
- 君は家族と暮らしている。
- 君は家族と暮らしている?
フランス語では平叙文→疑問文の作り方が日本語とは異なり、フランス語初心者にとっては悩みの種となることがあるので、このページでは疑問文の作り方や用法について解説していきます。
フランス語の疑問文の作り方
フランス語の疑問文には3通りの作り方があります。例として下にある2つの平叙文をもとに疑問文を作っていきましょう。
- Il est étudiant.
彼は学生である。 - Marie aime le chocolat.
マリはチョコレートが好きだ。
フランス語疑問文の作り方その1 語尾のイントネーションを上げる
- 主語+動詞~?
日本語と同じようにフランス語でも語尾の[ . ]を[ ? ]に変えるだけで疑問文を作ることができます。
- Il est étudiant ?
彼は学生ですか? - Marie aime le chocolat ?
マリはチョコレートが好きですか?
この疑問文は会話で用いられることが多く、逆に正式な場面や文面ではほとんど使われることのない表現です。フランス語の疑問文3種類の中でもっともフランクなものであると言えるでしょう。
日本語の疑問文と同様に語尾のイントネーションを上げるように発音することで相手に平叙文ではなく、疑問文であることを伝えられるので発音の際は必ず語尾を上げるようにしましょう。
フランス語疑問文の作り方その2 Est-ce que 主語+動詞~?
- Est-ce que 主語+動詞~?
この疑問文は会話でよく使われる表現です。作り方1と比べて長くなっている分、少し丁寧な表現になります。
- Est-ce qu’il est étudiant ?
彼は学生ですか? - Est-ce que Marie aime le chocolat ?
マリはチョコレートが好きですか?
主語と動詞の前にEst-ce queを置くだけで良いので、作り方自体は非常に簡単です。さらにフランス語の会話中に質問をする際にはEst-ce queの部分を発音している間に質問部分を考える時間が生まれるのでおすすめです。
フランス語疑問文の作り方その3 倒置疑問文「動詞-主語~?」
- 動詞-主語~?
この疑問文の作り方では、動詞を主語の前に移動し、動詞と主語の間にハイフン(-)をはさみます。つまり主語と動詞の順番が入れ替わる倒置が起きているのです。倒置が起きている疑問文のことを倒置疑問文(とうちぎもんぶん)と呼びます。
- Est-il étudiant ?
彼は学生ですか? - Aime-t-elle le chocolat ?
彼女はチョコレートが好きですか?
注意すべきは動詞の語尾と主語の頭文字がどちらも母音の場合で、この場合は-の代わりに-t-をはさみます。
倒置疑問文は疑問文の作り方3つの中で最も複雑なので、会話などカジュアルな場では基本的に用いられず、文章やフォーマルな状況で好んで用いられます。
倒置疑問文では、主語が主語人称代名詞(je/tu/il…)の場合と、名詞(Paul/Marie…)の場合とで方法が異なるので、2つの場合をそれぞれ見ていきましょう。
①倒置疑問文の主語が代名詞(je/tu/il…)の場合
動詞と主語代名詞の順番を入れ替えて間にハイフン(-)を置くだけで、倒置疑問文を作ることができます。
- Est-il étudiant ?
彼は学生ですか? - Aime-t-elle le chocolat ?
彼女はチョコレートが好きですか?
②倒置疑問文の主語が名詞の場合
主語の名詞を文頭に置いてから、名詞に一致する主語人称代名詞を倒置させる必要が有ります。
- Marie aime-t-elle le chocolat ?
マリはチョコレートが好きですか? - Paul aime-t-il le chocolat ?
ポールはチョコレートが好きですか?
名詞に一致する主語人称代名詞とはつまり、主語がMarieという女性の名前ならelle、Paulという男性の名前ならilという要領です。
否定疑問文の作り方・語順
ここまでは肯定疑問文のみを見てきましたが、疑問文の中には「〜ないの?」のような否定疑問文というものも存在します。ここからは否定疑問文の作り方、とりわけフランス語学習者が間違えやすい語順について解説していきます。
否定文の作り方に関しては、否定形・否定文の作り方・部分否定とne…pasの省略を解説のページで書かれているので、否定文についてまだ学習していない人はまずはそちらのページを先に学習することをおすすめします。
否定疑問文の種類と語順
肯定疑問文であっても否定疑問文であっても、これまで見てきた基本の3種類の形は同じです。
- 語尾に?を付けて、イントネーションを上げる
- Est-ce queを語頭に付ける
- 倒置疑問文(動詞-主語)
それぞれのケースで否定文がどのように否定疑問文へと変わるのかを例とともに紹介します。
フランス語否定疑問文の作り方その1 語尾のイントネーションを上げる
- 主語+ne+動詞+pas~?
肯定疑問文と同じように否定疑問文でも語尾の[ . ]を[ ? ]に置き換えるだけです。
- Il n’est pas étudiant.
彼は学生ではない。 - Il n’est pas étudiant ?
彼は学生ではないの?
フランス語否定疑問文の作り方その2 Est-ce que 主語+ne+動詞+pas~?
- Est-ce que 主語ne+動詞+pas~?
Est-ce que…構文の場合も肯定疑問文と否定疑問文との間に大きな違いはありません。
- Elle ne parle pas japonais.
彼女は日本語を話さない。 - Est-ce qu’elle ne parle pas japonais ?
彼女は日本語を話さないのですか?
フランス語否定疑問文の作り方その3 否定倒置疑問文「Ne 動詞-主語 pas?」
- Ne 動詞-主語 pas?
否定倒置疑問文を作る時は語順に注意しなくてはいけません。neは必ず語頭に置かれ、pasは倒置した主語の後ろに置かれます。
- Elle ne parle pas japonais.
彼女は日本語を話さない。 - Ne parle-t-elle pas japonais ?
彼女は日本語を話さないのですか?
- Il ne mange pas.
彼は食べない。 - Ne mange-t-il pas ?
彼は食べないのですか?
否定疑問文に対する返答のsi
肯定疑問文に対して「はい/いいえ」で答える時は、OuiまたはNonで答えることができます。ただし否定疑問文の場合はOuiの代わりにSiと答えるので間違えないようにしましょう。
- Tu aimes les fruits ?
君は果物が好き? - – Oui. J’aime les fruits.
– Non. Je n’aime pas les fruits.
- Tu n’aimes pas le fruits ?
君は果物が好きじゃないの? - – Si. J’aime les fruits.
– Non. Je n’aime pas les fruits.