フランス語に存在する動詞の形
すべての動詞は不定詞、現在分詞、過去分詞という3つの形を持っています。
不定詞(infinitif)は動詞の原形を意味し、辞書には動詞の不定詞が掲載されているため、動詞を調べる際は不定詞を調べることになります。
- aller
- parler
- manger
- finir
現在分詞(participe présent)は動詞の能動的意味「~する」を表し、性数変化がありません。
- allant
- parlant
- mangeant
- finissant
過去分詞(participe passé)は動詞の受動的意味「~される」を表し、性数変化します。
- allé
- parlé
- mangé
- fini
以上3つの形の変化をまとめると下の表のようになります。
不定詞 | 現在分詞 | 過去分詞 |
aller | allant | allé |
chanter | chantant | chanté |
finir | finissant | fini |
フランス語の叙法とは何か
叙法(じょほう)とは動詞が所属する文のスタイルのことです。文のスタイルが普通だと直説法という法で動詞は活用しますが、他に何かしらの条件が付くと条件法、接続法、命令法のように法が変化します。
- 直説法
- 条件法
- 接続法
- 命令法
フランス語の動詞活用種類
フランス語は動詞が属する法、時制、主語によって活用が決まります。上に挙げた4つの叙法に加えて現在、過去、未来のような時制によっても動詞の活用が変化するので活用パターンは様々です。
直接法の時制
直接法には8つの時制が存在します。過去を表す時制でも複合過去、半過去、大過去など5つ存在し、それぞれ意味が少しずつ異なります。
条件法の時制
条件法には時制が現在と過去の2つしかありません。
接続法の時制
接続法には4つ時制がありますが、半過去と大過去はほとんど使われなくなっています。
命令法の時制
命令法には現在と過去の2時制が存在します。
こうして見てきたようにそれぞれの叙法の中にもさらに細かい時制というカテゴリーが存在するためフランス語の動詞活用は初心者にとっては大きな壁と言えるでしょう。
さらに各時制には主語に応じた6つの活用形(人称変化)が存在するため、フランス語では1つの動詞につき少なくとも16時制 × 6人称変化 = 96活用パターンが存在することになります。
主語による活用変化(直接法現在形の場合) | |
je「私は〜」 | chante |
tu「君は〜」 | chantes |
il/elle「彼・彼女は〜」 | chante |
nous「私たちは〜」 | chantons |
vous「あなた・君たち・あなた方は〜」 | chantez |
ils/elles「彼ら・彼女らは〜」 | chantent |
動詞と動詞句の違い
動詞は1語から成るのに対して、動詞句は2語以上から構成されて意味を成すものを指します。
動詞
- manger
- parler
- prendre
- partir
- sortir
など1語から成る動詞
動詞句
- avoir soif
- avoir besoin de
- tenir compte de
など2語以上から成る動詞句
動詞の態とは何か
動詞には2種類の態と呼ばれる、動詞の主語が動作主か動作の受け手かを表す形が存在します。
能動態
能動態では主語が動作を行い、能動態の文は日本語に訳す際に「~が~する」となります。
- Pierre frappe Paul.
ピエールがポールを殴る。
受動態
受動態では主語がほかの何かにより動作を受けます。受動態の文は日本語に訳す際に「~が~される」となります。
- Paul est frappé par Pierre.
ポールはピエールに殴られる。
受動態をつくるときは主語+être+過去分詞+(動作主)または主語+代名動詞+(動作主)の形が用いられます。